ベルカラー広報部の阿部です。
家庭用プリンターを購入する際、染料インクと顔料インクの違いについてよく分からずに選んでしまっていませんか?
多くのご家庭でプリンターが使われている一方で、プリンターの品質を左右するインクの種類については、「よく知らない」「何となく買っている」という方が意外と多いですよね。染料インクと顔料インクの違いがわかれば、大切な印刷物をよりキレイに、長持ちさせることができるんです。
今回は、染料インクと顔料インクの違いについて詳しく解説しています。今後のインク選びの際に、ぜひ参考にしてくださいね。
染料インクと顔料インクの決定的な違い|インクの付き方
染料インクと顔料インクの違いを、分かりやすく表にまとめました。
染料インク | 顔料インク | |
特徴 | インクが紙に染み込む |
インクが用紙の表面に定着 |
粒子の大きさ | 小さい | 大きい |
メリット | ・発色がキレイ ・印刷スピードが早い |
・色あせしにくく鮮明に印刷できる ・乾くのが早い |
デメリット | ・乾くまで時間がかかる ・水に濡れるとにじみやすい |
・写真印刷には不向き ・染料インクと比較するとノズルがつまりやすい |
染料インクは英語でDye(ダイ)、顔料インクはPigment(ピグメント)と言います。ベルカラーの商品には、日本語表記ではなくDYE、もしくはPIGと表記されているものがあります。
染料インクの特徴|インクが紙に染み込んで発色がキレイ
染料インクは、水に溶け込んでいる小さな染料粒子が、紙にインクを染み込ませて発色させるタイプのインクのことです。
染料インクは、インクが紙の内部まで浸透するため発色が美しく、色味を忠実に再現したい写真印刷に向いています。
印刷スピードが早く、顔料インクに比べて低コストなので、一度にたくさんの写真印刷をしたい時にもぴったり。
ただし、染料インクで気をつけたいのが、インクが乾くまでに時間がかかってしまう点です。
印刷してすぐの紙に触ってインクがついたり、重ね置きした紙にインクがついてしまった経験はありませんか?これは、乾くのに時間がかかる染料インクを使用しているためと考えられます。
染料インクで印刷したあとは、紙の触り方や重ね置きしないなど、取り扱いに注意しなければいけません。自動両面印刷だと、乾いていないままプリンターに吸い込まれることでローラーにインクが付着する恐れもあります。
こんな時は、プリンターで「乾燥待ち時間」の設定をすることが対策になることもあります。設定方法は、各メーカーの公式サイトからご確認ください。
もう一つ、染料インクは水や光に弱いというデメリットもあります。
印刷後の紙に水がつくとインクがにじみやすいですし、長時間光に当てておくとすぐに色あせてしまいます。直射日光が当たる室内や屋外イベントでの装飾は、品質を長く保持できないという点も覚えていてくださいね。
顔料インクの特徴|くっきりとした仕上がりはビジネス文書向き
顔料インクは、インクの粒子が大きめで、紙の内部には浸透せず表面に付着することで文字や色を表現するタイプのインクです。
顔料インクのメリットは、にじみや色あせが少なく、色や線をくっきりと印刷できることで、文字やグラフ、図などを使うビジネス向けの書類に最適です。
また、インクが紙の表面にとどまるという点では、印刷後に紙がまるまってしまう心配もありません。染料インクに比べて乾きやすいことも、顔料インクの大きな特徴といえるでしょう。
一方で、紙の表面をこすると色落ちしやすいことや、染料インクよりもコスパが悪い点は顔料インクのデメリットと言えます。
インクの種類にこだわりがなく、できるだけ安いものを選びたいというお客様の中には、価格だけで染料インクに変えられる方もいるほどです。
もう一つ、インク粒子が大きい顔料インクでは、染料インクほどの鮮やかさは期待できません。粒子の大きさはノズルのつまりやすさにも影響してくるので、プリンターの使用頻度が高い方には定期的なヘッドクリーニングをお願いしています。
それぞれのインクのデメリットについては、インクの改良が進んでいることもあり、近年は昔ほど目立たなくなっていると言われています。
激安品だとデメリットが強く出てしまうこともあるんですが、ベルカラーのインクはそれぞれのデメリットを補うように開発されているので、安心してお使いいただけますよ!
染料インクと顔料インクは用途によって使い分けるのがおすすめ
染料インクと顔料インクには、それぞれメリットとデメリットがあることが分かりました。
印刷物の用途に応じてインクを選べば、品質や耐久性、コスパなど、インクの特徴を活かした印刷ができるのです。
染料インクと顔料インクの違いを簡単にまとめると次の通り。
- 染料インク…光沢紙への写真印刷
- 顔料インク…普通紙やマット紙などへのビジネス文書
こんな使い分けができれば、それぞれのインクの特徴を最大限に活かした印刷ができます。
また、印字不良の原因が、インクと用紙のミスマッチだったというケースもあります。この場合、染料インク・顔料インク専用の印刷用紙を使うことで改善できるので、よければ参考にしてくださいね!
1つだけ注意したいのが、メーカーによって染料インクと顔料インクの使い分けができない場合があるということです。具体的には、エプソンは機種によって染料機と顔料機が分かれているのでOKですが、キヤノンは1台で染料と顔料の両方を使用するため使い分けは難しいようです。
染料インクと顔料インクに関してのよくある質問
最後は、ベルカラーのサポート窓口に多く寄せられる染料インクと顔料インクに関する質問をご紹介します。
Q.染料用プリンターに顔料インクを使用することはできる?
A.染料用プリンターに顔料インクを使用することは、目づまりの原因となるためNGです。(顔料用プリンターに染料インクを使うのは大丈夫です。)
プリンターは顔料機だけど、あえて染料インクを使いたいというお客様は、
- 価格
- 写真印刷
- 目づまり防止
という3つのポイントを重視している方が多いです。
Q.品質にこだわりはないのでコスパのいい染料インクを買いたい
メーカーによって使い分けができない場合があることを前提として、こんな商品はいかがでしょうか?
ブラザー LC3111 / LC3117 / LC3119 / LC3129 詰め替えインク4色 ( 純正比約2-6.2倍 ) +リセッターセット
Yahoo!ショッピング
この商品は、インクとリセッターのセット商品をブラック(BK)のみ顔料、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)は染料で販売しています。
インクのコスパは染料か顔料かで大きく変わってきますので、できるだけお安いものをという方にはこのような商品をおすすめしています。
もちろん、品質も安定していますので安心してお使いいただけます。
Q.マーカーを引くとインクがにじんでしまうorマーカーがインクを吸収してしまう
マーカーでインクがにじんでしまうのは、紙の表面にインクが付着している顔料インクで起こりやすい現象です。この問い合わせは、キヤノンのプリンターを使用している方から多く寄せられます。
理由としては、キヤノンの場合、文字の印刷に使われる黒のインクに顔料インクが使われていることが考えられます。
エプソンだと黒は染料インクであることが多いので、エプソンからキヤノンに買い換えたというお客様からご意見をいただくことが多いのはそのためかもしれません。
これは顔料インクの性質上、完全に対処するのは難しいところでもあります。
マーカーの種類を変えることでにじみにくくなることもありますので、一度別のマーカーを試してみることをおすすめします。
染料インクと顔料インクは印刷物で使い分けよう
染料インクと顔料インクは特徴が違うため、印刷物によって使い分けるのが理想的です。実際に使い分けてみると、「こんなに違うの!?」とびっくりするくらい仕上がりが違ってきます。
仕上がりの美しさや耐久性、コスパを重視したい!という方は、ぜひこのページを参考に、染料インクと顔料インクを使い分けてみてくださいね。
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