レーザープリンターで印刷した用紙に汚れがつくと、トナーが漏れたのではと心配になったり、漏れた原因や対処法が気になったりすることもあるでしょう。
本記事では、トナー漏れの原因と対処法、予防法について解説します。後半ではトナー漏れ以外に用紙に汚れが付着する原因についてもご紹介するので、ぜひご参照ください。
トナー漏れの原因は「衝撃」
トナー漏れはトナーカートリッジが衝撃を受けることで起こります。主に以下の状況が考えられます。
- カートリッジ運搬中に衝撃がかかる
- カートリッジ交換のときに強く振ってしまう
トナーカートリッジは精密機械のため衝撃に弱いことが特徴です。お店で購入して持ち歩くときや、トナーカートリッジの交換時は衝撃が加わらないよう丁寧に扱いましょう。
トナー漏れの確認方法
印刷用紙に汚れが発生し、トナー漏れが疑われる場合は以下2点を確認してください。
- プリンター内部に汚れているところはあるか
- トナーカートリッジを取り外し、軽く振ったときにトナーがこぼれるか
プリンター内部の大部分が汚れていたら、トナー漏れの可能性が高いです。プリンター内部の汚れだけでは分かりづらいときは、トナーカートリッジを軽く振ってみましょう。
もしトナーがこぼれた場合は、トナー漏れが原因と特定できます。
※カートリッジを振るときはトナーが衣類などに付かないようご注意ください
この2点に該当しない場合は別の原因が考えられます。本記事後半の「印刷物に汚れや点々がつくその他の原因と対処法」をご覧ください。
トナー漏れの対処法
トナー漏れの対処法は、トナーカートリッジを交換するしかありません。カートリッジ交換時は机などを汚さないよう新聞紙などを敷いておきましょう。
トナー漏れの対処法については、「トナーカートリッジには寿命がある?使用期限や正しい保管方法を解説」の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
トナーカートリッジは以下の2種類があります。お手持ちのプリンターがどちらかを事前にご確認ください。
- 一体型:カートリッジの中にトナーボックスと感光体ドラムが入っている
- 分離型:トナーカートリッジと感光体ドラムが分離できる
以下より、各種類の交換方法の例をご紹介します。
一体型カートリッジの交換方法
一体型のトナーカートリッジは、トナーボックスと感光体ドラムがセットになっているので丸ごと交換します。
交換手順は以下のとおりです。
▼一体型カートリッジの交換手順(例:キヤノンLBP7600C)
- 本体の前カバーを開け、レバーを押してトナーカートリッジトレイを引き出します。
- 交換するトナーカートリッジの取っ手を持って、真上に引き抜きます。
- 新しいトナーカートリッジを袋から取り出し、5〜6回軽く振って内部のトナーを均一にならします。
- トナーカートリッジを平らな場所に置き、タブを取り外して、シーリングテープを引き抜きます。
- ドラム保護カバーを取り外し、トナーカートリッジを取り付けます。
- トナーカートリッジトレイを押し込み、前カバーを閉めたら完了です。
参照元:キヤノン「【レーザービームプリンター】トナーカートリッジを交換する(LBP7600C)」
分離型カートリッジの交換方法
分離型のトナーカートリッジはトナーボックスと感光体ドラムが独立しているため、トナーのみを入れ替えます。
交換手順は以下のとおりです。
▼分離型カートリッジの交換手順(例:ブラザーHL-L3230CDW)
- 上部カバーを完全に開き、交換したいドラムユニットを取り出します。
- 緑色のロックレバーを押し下げながら、トナーカートリッジを取り外します。
- 新しいトナーカートリッジを開封し、保護カバーを取り除きます。
- 新しいトナーカートリッジが正しい位置に固定されるまで、ドラムユニットに差し込みます。
- 緑色のつまみを左右に数回往復させて、ドラムユニット内部のコロナワイヤーを清掃し、つまみを元の位置に戻します。
- ドラムユニットをカラーラベルの色に合わせて正しい位置に戻し、カバーを閉じたら完了です。
参照元:ブラザー「【レーザープリンター】トナーカートリッジの交換方法」
漏れたトナー掃除の注意点と清掃方法
トナーを掃除をするときの注意点と、掃除方法についてご紹介します。
トナー清掃の注意点
こぼれたトナーを掃除するときの注意点は、以下の3つです。
- 掃除機を使用しない
- 目や鼻、口に入らないようにする
- 衣類や体に付着しないようにする
詳細を解説します。
掃除機を使用しない
掃除機でトナーを吸い込むと、内部で静電気が粉じんを発火させ、発煙や火災につながる危険性があります。過去には、トナーを製造する工場で静電気による粉じん爆発事故が起こっており、家庭やオフィスで掃除をする場合も注意が必要です。
なお、トナー対応の業務用掃除機を使用することは問題ありません。
目や鼻、口に入らないようにする
トナーは細かい粒子です。大量に体内に入ると予期せぬトラブルを招く可能性があります。
万が一トナーを吸い込んだ場合はよくうがいをし、目に入った場合は大量の水で洗い流してください。必要に応じて医師の診察を受けましょう。
衣類や体に付着しないようにする
トナーが付着すると、熱に反応して取れなくなる可能性があります。
皮膚に付着した場合は、石けんを使用し冷水でよく洗い流してください。衣服に付いたときは、温水や乾燥機などでトナーに熱が加わると布に染み込んで取れなくなる可能性があるため、必ず冷水で洗い、乾燥機は使わず自然乾燥させるようにしましょう。
トナーの清掃方法
プリンター内部の掃除を行うときは、プリンターの電源を切ります。乾いた布や掃除用のブラシなどを使用して、汚れを取り除きましょう。プリンター内部はデリケートな部品もあるので、丁寧に作業してください。
トナーが床や家具に落ちた場合は、トナーを飛散させないように水で湿らせた布などで拭き取ります。
トナー漏れの予防法
トナー漏れを予防するには、トナーカートリッジに衝撃を与えないようにするしかありません。とくにトナーカートリッジの交換時に衝撃を加えたり、強く振りすぎたりしないよう気をつけることが大切です。
なお、商品の初期不具合のため漏れてしまう可能性もあります。新品を丁寧に扱っていたにもかかわらずトナー漏れがある場合は、商品の保証内容を確認の上、メーカーに連絡しましょう。
印刷物に汚れや点々がつくその他の原因と対処法
レーザープリンターの印刷物に汚れや点々などが付着する場合、トナー漏れ以外の可能性も考えられます。トナーを点検して異常がなかったら、まずはテスト印刷を数回行って汚れが解消するか確認しましょう。
テスト印刷を繰り返しても解消しないときは、トナー漏れ以外に考えられる原因と対処法を4つご紹介します。
最終的にどうしても汚れが解消しない場合は、プリンターメーカーにご相談ください。
原因:レーザープリンター対応用紙以外の使用
特殊コーティングされた用紙や、インクジェット用紙などレーザープリンターに対応していない用紙を使用すると、印字品質が低下し汚れの原因になる可能性があります。
特定の用紙を使う場合のみ汚れが付着すればその用紙が原因の可能性が高いでしょう。
<対処法:用紙の変更>
レーザープリンターは印刷すると熱が発生する特性があるため、インクジェット用紙や感熱紙は使用できません。レーザープリンター用と記載された普通紙や写真用紙を選びましょう。
原因:プリンター内部の汚れ
プリンター内部に汚れが付着しており、テスト印刷を繰り返しても落ち切らず用紙に付着している可能性があります。
<対処法:内部の汚れを拭き取る>
トナーカートリッジを外して、プリンター内部についた汚れを乾いた布で拭き取りましょう。内部の部品を傷めないよう、丁寧に行ってください。
原因:カートリッジ内のトナーに偏りがある
カートリッジ内のトナーに偏りがあり均一になっていないと、印字品質が低下する場合があります。
<対処法:カートリッジを振り、トナーを均一にする>
プリンターからカートリッジを取り外し、左右にゆっくりと数回振って中のトナーを均一にしてから再度取り付けます。
原因:カートリッジ・ドラムカートリッジ内のドラムの劣化・損傷
感光ドラムはトナーを付着させて用紙に転写するための部品ですが、消耗品のため劣化したり損傷したりしている可能性があり、印字品質の低下を招きます。
<対処法:カートリッジの交換(分離型の場合はドラムカートリッジの交換)>
カートリッジを新品に交換します。一体型の場合はカートリッジを丸ごと交換、分離型の場合はドラムカートリッジ部分の交換を行ってください。
トナーが漏れてしまったら新しいトナーに交換しよう
トナーカートリッジは衝撃に弱いため、運搬や交換するときの扱いには十分に気をつける必要があります。もし、トナー漏れが発生したらカートリッジの使用を中止し、新しいトナーカートリッジに交換してください。
漏れたトナーを掃除する場合は、発火や発煙の恐れのある掃除機は使用せず、本記事で紹介した方法を参考に行いましょう。とくに人体に悪影響を及ぼさないよう、注意点をしっかりと確認することをおすすめします。
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