修理や引っ越しなどの理由でインクジェットプリンターを送るとき、使いかけのインクが気になり、どのように発送すればいいか悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、インクジェットプリンターを発送する場合のインクの扱いに加え、発送までの手順や主要メーカー別の注意点をご紹介します。プリンター到着後に確認すべき事項もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
プリンター発送時にインクカートリッジは外すべき?
使用中のプリンターを発送するとき、インクカートリッジを外すべきかどうかについて解説します。
インクは外さず発送するのが原則
基本的に、輸送時にはインクカートリッジを外しません。理由は以下の3点です。
- 故障の原因になる
カートリッジを外すとインク吹き出し口など本体内部に入り込んだインクが漏れ出したり、乾燥して目詰まりしたりする可能性があり、トラブルの原因になります。 - インクカートリッジが使えなくなる
使いかけのインクカートリッジのインク出力部分などが乾燥し、再度取り付けても使用できなくなる可能性があります。 - インクは漏れにくいよう設計されている
多くのプリンターは正しい方法で電源を切ればカートリッジが本体内で固定され、激しい振動がかからない限りインクが漏れない設計になっています。
ただし、メーカーや機種によっては、輸送時にインクカートリッジを外す前提で設計された機種があります。
たとえばブラザーは、カートリッジを外し購入時に付属していたオレンジ色のパーツを本体に取り付け、乾燥を防ぎます。
正しい輸送方法については、各プリンターの説明書をご確認ください。
運送会社からインクを外す指示があった場合
運送会社によっては、インクが漏れて他の荷物に影響が出ると困るため、カートリッジを外さないとプリンターを輸送できない規則があります。
もしインクを外すべきではないプリンターに対して、運送会社から「インクを外してほしい」と言われた場合、インク漏れに備えて本体をビニール袋などで密閉した上で、インクを外せない製品であることを説明しましょう。
それでも外すよう指示があった場合、外してしまうと故障の原因になりかねないため、他の運送会社に相談してください。
使用済プリンターの発送手順と注意点
使用済みのインクジェットプリンターを発送する際の、手順と注意事項は以下のとおりです。
- 事前準備
電源ボタンを押下して電源を切り、コンセントを抜きます。
説明書を確認し、カートリッジの固定や取り外しが必要な場合は実施してください。 - こん包
本体をビニール袋などで密封し、万が一インクが漏れても外部に出ないようにしてから、購入時の箱に入れます。
購入時の箱がない場合は、緩衝材に十分に包んで丈夫な箱に入れましょう。本体と箱の間に隙間ができないようご注意ください。 - 発送
運送会社にプリンターであることを伝えた上で、「精密機器」「取扱注意」「天地無用」などの扱いをしてもらえるよう依頼します。
万が一の破損に備えて、補償の付いた運送会社を選びましょう。代表的な発送方法は下図をご参照ください。
▼補償付きの運送サービス例
運送会社 | 輸送方法 | 補償内容 |
クロネコヤマト | 宅急便 | 1個につき最大30万円までの補償付き |
日本郵便 | ゆうパック | 30万円までの補償付き セキュリティサービス付加で50万円までの補償も可能 |
佐川急便 | 運送保険 | 最低保険料50円で35,000円から補償付与が可能 詳細は公式サイト参照 |
※2023年10月時点
【プリンターメーカー別】輸送時のポイント
プリンターメーカーによって輸送時のポイントは異なります。本項では主要メーカーであるキヤノン・エプソン・ブラザーの3社について、代表的な注意点をご紹介します。
同一メーカー内でも機種によって推奨方法が異なる可能性があるため、詳細は各プリンターの取扱説明書をご確認ください。
キヤノン
- カートリッジ式のプリンターは、インクカートリッジを必ず本体に装着した状態にしておく
- ギガタンク搭載プリンターは、インクタンクのタンクキャップがしっかり差し込まれていることを確認
- プリントヘッドは取り付けた状態で、プリンターの電源ボタンを押して電源を切る
参考1:修理ご依頼時の注意事項(ページ最下部参照)
参考2:エコタンク式プリンターの輸送モードについて(G3360の場合)
エプソン
- 電源ボタンを押して電源を切り、電源ランプの消灯を確認してから電源プラグを抜く
- プリントヘッド/インクカートリッジが動かないように市販のテープなどで固定
- エコタンク搭載モデルは、インクタンクのキャップがしっかり締まっていることを確認
ブラザー
- すべての動作音が止まったかどうか、よく確認してから電源プラグを抜く
- インクカートリッジを外して取り出し、オレンジ色の保護部材を取り付けてインクカバーを閉める(保護部材がない場合は何も取り付けない)
- 輸送中はインクカートリッジを製品内に残さない
参考:製品をこん包して輸送する
(DCP‑J526N / DCP‑J914N / DCP‑J926N / MFC‑J739DN / MFC‑J739DWN / MFC‑J904N / MFC‑J939DN / MFC‑J939DWNの場合)
プリンター到着後の確認事項
発送したプリンターを受領したら、伝票や箱はすぐには捨てず、早めに動作確認をしましょう。確認すべきポイントは以下のとおりです。
- コンセントをさし電源が入るか
- ヘッドクリーニングが正常に行われるか
- パソコンやスマホと接続できるか
- 印刷できるか
上記の確認ができれば、プリンターは動作するでしょう。
ただし、何度か試しても動作確認が取れなかった場合、輸送中に故障した可能性が考えられます。補償付であれば、伝票番号を運送会社に伝えましょう。
箱の状態を確認して、もし明らかな破損や衝撃の形跡があればその旨も伝えてください。発送事故が原因で故障したと断定されれば、運送会社に補償してもらえます。
補償がついていない場合は、残念ながらなす術がありません。いざというときのためにも、補償付の輸送方法を選択するのがおすすめです。
使用済プリンターは手順に気をつけて発送しよう
プリンターは精密機器のため輸送に気をつける必要があり、さらにメーカーや機種によって発送手順が異なります。
準備不足や不注意が原因で故障することがないよう、十分に手順を確認してから発送準備を行いましょう。
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