詰め替えインクのリセッターとは?使い方とメリット・デメリットを解説

互換インクについて

インクカートリッジよりも安価に購入できる詰め替えインクは、印刷コストを抑えたいプリンターユーザーにとって魅力的な商品です。

じつは、詰め替えインクを使用するには、インクカートリッジの種類やメーカーによってはリセッターという機器が必要になります。

本記事では、詰め替えインクの購入を検討しているプリンターユーザーに向け、インクリセッター(ICチップリセッター)の仕組みや使い方、リセッターを利用するメリット・デメリットについて解説します。

詰め替えインクのリセッターとは?

インクカートリッジにICチップが埋め込まれている場合、ICチップにはインク残量の情報が書き込まれています。

ICチップリセッターは、ICチップに書き込まれているインク残量の情報を満タン表示に書き換えるために使用する機器のことです。

インクリセッター(ICチップリセッター)の仕組みは?

インクカートリッジに付いている「ICチップ」には「残量検知機能」が内臓されています。「残量検知機能」とは、インクカートリッジのなかのインク容量を測る機能です。

プリンターはインクの使用量をICチップに記憶させ、何回インク滴を出力したかという回数から、カートリッジ内のインク残量を推測し、残量表示画面でインク残量を表示しています。

ICチップリセッターを使用すると、残量検知機能がリセットされ、インク残量情報が満タン表示に書き換わります。結果、使用済みの純正カートリッジを再使用していただけるようになります。

インクリセッター(ICチップリセッター)の種類は?

ICチップリセッターには、「USB式」と「電池式」の2種類があります。

USB式のリセッターは、USBポートに接続することで電力が供給されます。電源を利用するため、使用中に電池の交換や充電を行う必要はありません。

一方、電池式のリセッターは、内蔵された電池により動作します。そのため、電池を消費すると電池交換が必要です。

2種類のどちらのリセッターを使うかは、インクの型番によって決まっています。取扱説明書や製品仕様情報を参照し、正しい種類のICチップリセッターを選択しましょう。

リセッターの使い方

ICチップリセッターは使い方がシンプルです。ベルカラーで取り扱いのあるICチップリセッターを例に、基本的な使い方を解説します。

・使用するICチップリセッター

USB式 Canon・BCI-370/BCI-371シリーズ対応ICチップリセッター
電池式 Canon・BCI-320/BCI-321シリーズ対応ICチップリセッター

1.USB式リセッターの使用手順

・商品セット内容

 ICチップリセッター

 BCI-371用アダプタ

 BCI-370用アダプタ

・準備するもの

 純正インクタンク

 USBケーブル(タイプA-タイプB)

・手順

  1. プリンターから、残量表示がゼロになったインクタンクを取り外す
  2. リセッターのUSB端子にUSBケーブルのタイプB側を接続する
  3. USB ケーブルのタイプA側を、パソコンやプリンターのUSB端子に接続する

※リセッターのランプが黄緑色に点滅すれば、正しく接続されて電源が供給される状態

  1. リセットしたいカートリッジの型番に応じて、BCI-370用アダプタもしくは、BCI-371 用アダプタを、ICチップリセッターの段さ部分にはめ込む
  2. インクタンクのICチップをリセッターの接続ピン部分にあわせて押し付け、リセッターのランプが赤色の点灯に変わるのを確認する
  3. 5)の状態を2~3 秒ほど保持
  4. リセッターのランプが黄緑色の点灯に変わり、かつ、インクタンクのインクランプが赤色に変わるのを確認できたらリセットは完了 

2.電池式リセッターの使用手順

・セット内容

 ICチップリセッター

 BCI-321用アダプタ

・準備するもの

 純正インクタンク

・手順

  1. プリンターから、残量表示がゼロになったインクタンクを取り外す
  2. リセットしたいカートリッジの型番がBCI-321の場合、アダプタをICチップリセッターにはめ込む

※BCI-320 をリセットする場合はこの手順は不要

  1. インクタンクをリセッターのガイド部分にあわせてスライドさせる。
  2. ICチップをリセッターの接続ピン部分に押し付けて3 秒ほど保持
  3. インクタンクの固定用つまみが赤く光るのを確認できたらリセットは完了

インクリセッター(ICチップリセッター)の価格は?

ICチップリセッターはインクの型番によって2,000~9,000円台と幅広い価格帯で展開されています。

各メーカーごとにリセッターの商品仕様が異なるため、同じインクの型番に対応する商品でもメーカーによって金額はさまざまです。

メーカー A社 B社 ベルカラー
金額 6,640円

(税込)

5,780円

(税込)

4,280円

(税込)

使用(リセット)回数 5060回 40~50回 100回

EPSON・クマノミKUI-6CL対応・ICチップリセッターの商品金額

参照元:Amazon

ICチップリセッターは何度も使用するので、金額や使用回数を参考に費用対効果の高い商品を選ぶとよいでしょう。

メーカー別・詰め替え時にリセッターが必要なインク型番

ICチップリセッターを使用し、インクを詰め替えることで再使用が可能なカートリッジは、基本的に純正カートリッジのみです。

ただし、ベルカラーの製品では一部の型番で、リセッターを使用するタイプの互換カートリッジも存在します。

参考:ベルカラー製・詰め替えカートリッジKAM

ここでは、純正インクメーカーのEPSON、brother、Canonの3社別に、ベルカラーでリセッターの取扱いがあるインク型番を紹介します。

EPSON・リセッターが使用できるインクの型番

ベルカラーの公式サイトで取り扱いのある、リセッターを使用してインクの詰め替えができるEPSONのインク型番を紹介します。

インク型番 ICチップリセッターの種類
YTH-6CL (ヨット) 電池式
IB06(めがね) USB式
KAM (カメ) USB式
SOR (ソリ USB式
ITH / IC80 / IC70 電池式
MUG (マグカップ) ※ USB式
SAT(サツマイモ) USB式・電池式
KUI-6CL( クマノミ) USB式

EPSONの使用済み純正カートリッジを使ってインクを詰め替える場合、必ず詰め替えインクボトルのほかにICチップリセッターが必要です。詰め替えインクを購入しただけでは使用できないためご注意ください。

※MUG (マグカップ)のインクを純正インクカートリッジに充填して使用する際には専用の詰め替えツールが必要です

brother・リセッターが使用できるインクの型番

ベルカラーの公式サイトで取り扱いのある、リセッターを使用してインクの詰め替えができるbrotherのインク型番を紹介します。

インク型番 ICチップリセッターの種類
LC110/LC111 /LC113 /LC115 /LC117 USB式
LC211 / LC213 / LC215 /LC217 /  LC21E USB式
LC3111 / LC3117 / LC3119 / LC3129 USB式

brotherの使用済み純正カートリッジを使ってインクを詰め替える場合も、EPSON同様必ず詰め替えインクボトルのほかにICチップリセッターが必要です。

Canon・リセッターが使用できるインクの型番

ベルカラーの公式サイトで取り扱いのある、リセッターを使用してインクの詰め替えができるCanonのインク型番を紹介します。

インク型番 ICチップリセッターの種類
BCI-350/BCI-351シリーズ USB式
BCI-370/BCI-371シリーズ USB式
BCI-7e / BCI-9BKシリーズ USB式
BCI-320/BCI-321シリーズ 電池式

Canonの純正カートリッジは残量がなくても印刷を継続できる「残量検知無効機能」という仕様が組み込まれています。しかし、使用済みの純正カートリッジへインクを補充するとき、残量検知機能を無効化するとインク残量が表示されません。

インク残量を表示して使用するには、詰め替えインクのほかにICチップリセッターが必要です。

リセッターを利用するメリット・デメリット

リセッターを利用するにあたって、知っておきたいメリットとデメリットを解説します。

メリット・コストが抑えられ環境にも優しい

リセッターを利用するメリットは、大きく2つあります。

1つ目は、純正インクやカートリッジ使い切りタイプの互換インクに比べ、インクコストが安価に抑えられることです。

純正インクカートリッジに含まれるインク容量とコスト 約6.5ml 1,060円 1mあたり約163円
ベルカラー製詰め替えインクの容量とコスト 100m 1,380円 1mあたり約13.8円

※Canon・BCI-371BKで比較

※2023年8月現在

Canonのインク型番BCI-371ブラックで比較すると、インク1mに対し詰め替えインクは純正インクの約12分の1のコストで利用できます。

2つ目のメリットは、環境に優しいことです。インクを補充することで、カートリッジの交換回数が少なく済むので、ゴミの排出量を抑えることができます。

デメリット・インクを詰め替える手間が発生する

リセッターを利用するデメリットは、大きく3つあります。

1つ目は、リセッターの購入費用がかかることです。リセッターの使用回数は永久ではなく、メーカーによって40回~100回などさまざまです。しかし、毎回純正インクを使用するケースよりもコストが抑えられるという利点があります。

2つ目は、リセッターの動作不良です。動作不良は以下のケースで起こりやすくなります。

  • ICチップ部分が汚れている
  • リセッターとICチップの接触位置がずれている

3つ目は、詰め替えインクを利用する場合、インクが無くなる度に詰め替え作業が発生します。カートリッジタイプであれば、プリンターに簡単にセット可能です。しかし、詰め替えインクの補充はカートリッジにインクを注入したり、リセッターを使用したりと、多くの工程が必要になります。

効率よくインクを補充したい方は、カートリッジ交換型(使い切りタイプ)の互換インクがおすすめです。互換インクは純正インクよりも安価でコストを抑えられます。

インクリセッターの使用が不安な方はカートリッジ交換型の互換インクもおすすめ

インクは消耗品であり、コストを抑えたいプリンターユーザーにとって、リセッターを使用する詰め替えインクは魅力的な商品です。ただし、リセッターの利用はカートリッジ交換型のインクに比べると、インク詰め替えの作業工程が多く、手間が発生します。

リセッターの利用に不安を感じる方は、カートリッジ交換型の互換インクを検討しましょう。カートリッジ交換型の互換インクは、リセッターの使用やインクの詰め替え作業を気にせず利用できるうえ、コスト面でも純正インクよりお得です。

ベルカラーではさまざまな型番に対応したリセッターや詰め替えインク、カートリッジをご用意しておりますので、ぜひ一度公式サイトをご覧ください。

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