プリンターインクのICチップとは?リセット方法や清掃方法を解説

インクについて

詰め替えインクはプリンターのランニングコストを抑えられる商品ですが、利用時にはICチップの基礎知識が欠かせません。

プリンターインクのICチップとはインクカートリッジに搭載されたパーツのことで、インクの型番の認識や残量を計測する機能があります。

この記事では、ICチップがインク残量をどのように計測しているのかに加え、メーカー別のインク残量検知方式やICチップの注意点について解説します。

プリンターインクのICチップとは?

プリンターインクのICチップは、インクカートリッジに搭載された重要なパーツです。

ICチップには、主に2つの機能があります。

1つ目は、正しい色や型番のインクがセットされていることをプリンターに認識させる機能です。もともとは、インクを使い切ったあとに中身を詰め替えて再利用できなくするために、プリンターメーカーが導入した機能でした。

2つ目は、インク残量を計測する機能です。これにより、空刷りを防止し、プリンター本体の負担を軽減します。インク残量の計測方法は以下の3つがあります。

インク残量の計測方法1.ドットカウント方式

ドットカウント方式は、インクの使用量をICチップに記憶させ、インク滴の出力回数からインクの残量を検知する方法です。

この方式は、インクカートリッジ内部のインク量を検出しているわけではありません。そのため「インク切れ」の表示が出ても、実際にはインクが残っている場合があります。

また、使用済みの純正インクカートリッジにインクを詰め替えて再使用するには、ICチップリセッターという機器を使用して、ICチップに書き込まれているインク残量の情報を満タンに書き換える作業が必要です。

インク残量の計測方法2.光学式

光学式は、プリンター内部でインクカートリッジに光を当て、その反射によりインクの残量を検出する「光学センサー」によって残量を計測します。

この方法では、実際のインク残量が確認できるため、カートリッジ内のインクをほぼ使い切ることが可能です。

光学式のみを採用しているインクカートリッジでは、ICチップのリセットが必要ありません。また、一部の光学式のインクカートリッジには、ICチップが搭載されていないものも存在します。

インク残量の計測方法3.ドットカウント方式+光学式

光学式とドットカウント方式の両方を採用した計測方法です。

最初に光学式の光学センサーによってカートリッジ内のインク残量を測定し、検出ができなくなった時点で、ドットカウント方式による回数制限が適用されます。

この組み合わせにより、高い精度でインク残量を検出することが可能です。

メーカー別インク残量検知方式

Canon、EPSON、brotherの3社のプリンター型番ごとに、インク残量検知方式を調査しました。

Canon

Canonのプリンターは主にドットカウント方式を使用してインク残量を測定しています。(弊社調べ)

プリンター型番 インク残量検知方式
【A4複合機】 XK500、XK110、XK100、TS8630、TS8530、TS6330、TS7530、TS5430、TS3530、TR8630a ドットカウント方式
【A4特大容量】 G3370、G1330 ドットカウント方式
【A4プリンター】 TR703a、TS203、TR153 ドットカウント方式
【A3複合機】 TR9530 ドットカウント方式
【A3ノビプリンター】 PRO-G1、PRO-S1 ドットカウント方式
iP8730、iX6830 光学式+ドットカウント方式

参考元:各製品ごとの仕様ページより(2023年9月現在)

「ドットカウント方式」を採用しているタイプが大半ですが、「光学式+ドットカウント方式」を併用して残量検知を行っている型番もあります。

EPSON

EPSONの、初期のモデルは主にドットカウント方式を採用していました。

しかし現在は光学式とドットカウント方式を併用しているものが多くなっています。(弊社調べ)

brother

brotherは、型番によって計測方法が異なります。LC11/12などの二桁型番は光学式を採用しています。

また、以下のインク型番に対応するプリンターは、光学式とドットカウント式を併用しています。 (弊社調べ)

インク型番 対応プリンター
LC110/LC111 /LC113 /LC115 /LC117 MFC-J4910CDW, MFC-J4810DN, MFC-J4510N, DCP-J4215N, DCP-J4210N

MFC-J6975CDW, MFC-J6973CDW, MFC-J6970CDW, MFC-J6770CDW, MFC-J6573CDW, MFC-J6570CDW

MFC-J987DN/DWN, MFC-J980DN/DWN, MFC-J897DN/DWN, MFC-J890DN/DWN, MFC-J877N, MFC-J870N, MFC-J827DN/DWN, MFC-J820DN/DWN, MFC-J727D/DW, MFC-J720D/DW, DCP-J957N, DCP-J952N, DCP-J757N, DCP-J752N, DCP-J557N, DCP-J552N, DCP-J552N-ECO

DCP-J152N, DCP-J152N, DCP-J137N, DCP-J132N

LC211 / LC213 / LC215 /LC217 /  LC21E DCP-J968N/ DCP-J963N / DCP-J962N

DCP-J767N / DCP-J762N / DCP-J567N / DCP-J562N

MFC-J887N / MFC-J880N

MFC-J990DN/DWN / MFC-J997DN/DWN

MFC-J900DN/DWN / MFC-J907DN/DWN

MFC-J830DN/DWN / MFC-J837DN/DWN

MFC-J730DN/DWN / MFC-J737DN/DWN

MFC-J5720CDW / MFC-J5620CDW / MFC-J5820DN

DCP-J4225N / DCP-J4220N

MFC-J4725N / MFC-J4720N

DCP-J983N

LC3111 / LC3117 / LC3119 / LC3129 DCP-J987N-W / DCP-J982N-B/W / DCP-J981N / DCP-J978N-B/W / DCP-J973N / DCP-J972N

DCP-J587N / DCP-J582N / DCP-J577N / DCP-J572N

MFC-J903N / MFC-J998DN/DWN / MFC-J898N / MFC-J893N / MFC-J738DN/DWN

MFC-J6983CDW / MFC-J6980CDW / MFC-J6583CDW / MFC-J6580CDW

MFC-J5630CDW / MFC-J6995CDW

ドットカウント方式ICチップのリセット方法と注意点

ドットカウント方式によるインク測量を行うプリンターには、使用済みの純正カートリッジにインクを詰め替えるとき、ICチップのリセットが必要です。

ICチップのリセット方法

ICチップのリセットは、ICチップリセッターという機器を使用します。

ICチップリセッターとは、ICチップのインク残量情報を満タン表示に書き換える機器です。brother(ドットカウント方式を採用しているプリンター)とEPSONの使用済み純正カートリッジのICチップには、必ずICチップリセッターを使用します。

Canonは、プリンター側で残量検知無効操作を行えば、ICチップのインク情報が残量0であってもプリンターの使用が可能です。ただし、カートリッジへインクを補充する際に、残量表示画面にインク残量を表示して使用するにはICチップリセッターが必要になります。

注意点:ICチップがプリンターに認識されない場合がある

ICチップがプリンターに認識されない原因として以下3つのことが考えられます。

  • 正しい交換手順で操作を行っていない
  • ICチップの接触不良
  • ICチップの初期不良

それぞれの対処法を確認しておきましょう。

ICチップが認識されないときの対処法

認識されないときの対処法をケース別にまとめました。

  • 正しい交換手順で操作を行っていない場合

 再度、プリンターに表示される手順に従ってカートリッジを交換します。

  • ICチップの接触不良の場合

インクカートリッジのICチップ部分と、プリンター側のICチップと接触する電極部分を掃除します。

  1. すべてのインクカートリッジを取り出す
  2. プリンターの電源を切り、コンセントを抜いて、10分~20分ほど放置し放電する
  3. インクカートリッジのICチップ部分を不織布(綿棒、キッチンペーパーなど)で汚れを拭き取る
  4. プリンタ側の電極部分を綿棒で清掃する
  5. 再度コンセントをさしプリンターの電源を入れ、インクカートリッジを挿入する
  • ICチップの初期不良の場合

 販売元に問い合わせましょう。販売元によっては無料保証で商品交換してくれるところもあります。

ICチップを動作させるためには、日々の適切なメンテナンスが重要です。

自動リセットチップならリセッター不要!

ICチップには、リセッターを使わなくても自動的にインク残量が満タン表示に書き換えられる「自動リセットチップ」があります。

自動リセットチップは、インク切れのエラーが発生した際に、カートリッジを取り外し、インクを補充してプリンターに戻しセットすると満タン表示にリセットされる仕組みです。

リセッターの使用が手間だと感じる方や、詰め替えタイプのカートリッジを検討中で純正のチップが手元にない場合等に重宝します。

対応機種をご使用されている方にはおすすめです。

自動リセットチップの取付け方法

・使用する自動リセットチップ:brother互換 LC111対応 ICチップ 自動リセットチップ ARC(ベルカラー製)

自動リセットチップは、以下の手順で取り付けます。

  1. 純正カートリッジからチップを取り外す
  2. カートリッジの背面の小さな2つの突起に自動リセットチップの穴を合わせて装着し、両面テープで固定する
  3. インクを補充してプリンターに戻しセットする
  4. 「インクを交換しましたか」の表示が出るので、「はい」を押す
  5. インク残量表示が満タンに戻る

ベルカラーで取り扱い中の自動リセットチップ

Canon・EPSONのカートリッジは、ICチップがカートリッジに接着されていますが、brotherのカートリッジは、ICチップをカートリッジから付け外しできます。

ベルカラーではbrother用の自動リセットチップを取り扱っています。

以下の表は、ベルカラーで取扱いのある自動リセットチップの対応型番とセット内容です。

商品名 対応型番 セット内容 金額
ブラザー オートリセットチップ LC111 MFC-J980DN DCP-J952N 4個セット  LC111-4pk

LC111BK

LC111C

LC111M

LC111Y

・ICチップ4色分

(各1枚ずつの4枚セット)

3,980円(税込)
ブラザー オートリセットチップ LC113 LC115 LC117 MFC-J4910CDW MFC-J4810DN 4個セット LC113-4PK LC113BK LC113C LC113M LC113Y LC117/115-4PK

LC117BK LC115C LC115M LC115Y

・ICチップ4色分

(各1枚ずつの4枚セット)

3,980円(税込)
ブラザー オートリセットチップ LC211 DCP-J968N MFC-J880N MFC-J837DN/DWN 4個セット LC211-4pk LC211BK LC211C

LC211M

LC211Y

・ICチップ4枚

(BK/C/M/Y対応 各1枚)

・センサーチップ4個

3,980円(税込)
ブラザー オートリセットチップ LC213 LC215 LC217 MFC-J5720CDW MFC-J5820DN 4個セット LC213-4PK LC213BK

LC213C LC213M LC213Y LC215C

LC215M LC215Y LC217BK LC217/215-4PK

・ICチップ4色分

(各1枚ずつの4枚セット)

3,980円(税込)

(2023年9月現在)

ベルカラーの自動リセットチップには安心のトリプル保証がついています。

【交換返金保証】初期不良や不具合があった場合、3年間保証

【初回あんしん保証】商品の品質にご満足いただけない場合、1年間保証

【プリンター本体保証】 弊社製品が原因でメーカー保証期間内のプリンターが故障した場合、プリンター購入から1年間保証

※複数の注意事項があり、保証対象外となるケースもあります。詳しくは公式サイトの「トリプル保証」をご確認ください。

純正以外の自動リセットチップを初めて使うときは不安がつきものです。初めての自動リセットチップはしっかりとした保証のあるベルカラー製品がおすすめです。

ベルカラーのICチップを探す

自動リセット可能なICチップは保証の手厚いベルカラー製品がおすすめ

詰め替えインクを使用するにはICチップリセッターが必要ですが、一部の型番ではリセッター不要の自動リセットチップも利用可能です。

ベルカラーでは、brotherの一部インク型番に対応した自動リセットチップを提供しています。

初めての自動リセットチップは、ぜひ保証の手厚いベルカラー製品をお試しください。

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